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映画祭

Rotterdam Lab 参加

 しばらくかなり忙しくブログ書けてなかったのですが、パリからルクセンブルクへ向かうバスの中で久々に書いています。仕事での出張とはいえ、たまにはこういう時間もいいですね。参加したRotterdam Labでも、どんなに忙しくても休みは必ず取れと言われました。

そのRotterdam Labが何かと言うと、ロッテルダム映画祭期間中に、世界中から60人の若手プロデューサーを集めて、色んな事を教えてくれるプロデューサー養成ワークショップなのです。映像産業振興機構 VIPO から推薦して頂き、参加してきました。

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初日は自己紹介。60人参加者がいるのですが、1人2分ずつ、30人に2時間かけて自己紹介しました。さすがに60人全員は名前覚えれないだろうなと思いつつ…

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最初の講義はピッチの練習。映画祭やエレベーターで出会った人に5分で自己紹介や企画のピッチをするという設定で、練習も準備もなしでピッチさせられました。去年Busan Asian Film Schoolで3ヶ月ピッチの練習をして、Talents Tokyoでも練習したのに、全然ダメ。一方、欧米や南米の参加者はすらすらと分かりやすく喋ってる。アジアではピッチがうまい人があまりいないのに、この実力の差には驚きました。同じ人間でも人種によってうまい下手がこうもはっきりとするものなんだろうか。 

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2日目以降は ストーリーテリング、ファイナンス、ポスプロ、コミュニケーション、共同製作、マーケティング、会社経営等についての講義で、他のワークショップで学んだ事が多かったので、復習プラス新たな発見という感じで5日間のプログラムを無事終えました。

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 でもこういったワークショップの醍醐味はやはり人との出会いです。僕も以前に参加したTies That BindやBusan Asian Film Schoolで出会った仲間と一緒に仕事しているし、それ以上にかけがえのない人生の友達になっています。今回のRotterdam Labは今まであまり出会う機会のなかったヨーロッパ、アフリカ、中東、北米、南米の若手プロデューサーと知り合えたので、またここから何かが生まれると思います。

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去年Talents Tokyoで発表した塚田万理奈監督の「刻」は6〜10年かけて16mmフィルムで撮影するという企画なのですが、最後のシーンはブエノスアイレスで撮影する事になっています。ロッテルダムで出会ったアルゼンチンのプロデューサーとは10年後ブエノスアイレスで会おうと約束しました(笑)。

アルゼンチンのプロデューサー  Eugenia。チェ・ゲバラの遠い親戚らしい。

アルゼンチンのプロデューサー  Eugenia。チェ・ゲバラの遠い親戚らしい。

Labの最終日はお決まりのパーティーという事でこんな感じになりました。

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映画はあまり観る時間がなかったのですが、映画祭の雰囲気の写真もちょっとだけ掲載しときます。 

 

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ちなみにKavich Neang監督のドキュメンタリー「Last Night I Saw You Smiling」はかなり良かった。 

ちなみにKavich Neang監督のドキュメンタリー「Last Night I Saw You Smiling」はかなり良かった。 

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といった感じの初めてのロッテルダムでしたが、こんな素晴らしいワークショップに推薦してくれたVIPOの皆様、本当にありがとうございました。この経験を活かして、日本のインディーズ映画を盛り上げていきたいと思います! 

カンヌに行ってきました!

釜山に来てからもうすぐ3ヶ月になります。普段の仕事に加えて、学校での勉強が加わり、『あなたの宇宙は大丈夫ですか』の大阪アジアン映画祭での上映や、『見栄を張る』の劇場公開もあったのでかなり忙しかったのですが、その間にイタリアのFar East Film Festival、 韓国の全州映画祭、そしてカンヌ映画祭に行ってきました。

今回、カンヌに行くきっかけとなったのは、フィリピンのSheron Dayoc監督と進めている企画『My Name is Laila』がCannes Producers NetworkでのSpotlight on the Philippinesというイベントに招待されたからです。 

主な目的は『My Name is Laila』の資金集めでしたが、ついでにMikhail Red監督との企画『Quantum Suicide』、宮崎大祐監督との日比合作企画『あわれみ』、Li Huiyi監督との企画『Keep Me in the Sun』、16ヶ国から集まった21人の若手プロデューサーが作るAFiS短編プロジェクトの売り込みもしてきました。

時間がないのであまり詳しく書けませんが、一番嬉しかったのは、去年と今年ウーディネで偶然出会ったCristina Massaro監督が『見栄を張る』を気に入ってくれたらしく、わざわざ手作りの一冊の企画書をカンヌまで持ってきてくれた事です。

いい企画がたくさん増えて来ているのですが、まずは来年、Mikhail Red監督のSFスリラー『Quantum Suicide』を大阪で撮影したいと思っています!

打ち合わせで忙しく僕は観れなかったのですが、 今年のカンヌで一番評判が高かったのは、Bi Gan監督の3Dアートハウス中国映画『Long Day’s Journey into Night』。可能性は低いと思うけど、富川でも上映して欲しい!

それにしても全州で観たHu Bo監督の『An Elephant Sitting Still』も衝撃的だったし、ここに来て中国の若手監督が台頭してきているのを感じます。

 最後に、カンヌで再会した友達の写真、掲載しておきます!

 

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プチョン It Project

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7/13〜7/23までソウルの近くで開催されているプチョン国際ファンタスティック映画祭に初めて行ってきました!

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今回の目的はジャンル映画企画マーケットのIt Project参加。フィリピンのMikhail Red監督のホラー映画企画「Eerie」の共同プロデューサーとして、参加してきました。

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一緒に参加したMikhail Red、プロデューサーのMicah Tadena、脚本家のMariah Reodicaの3人はなんと全員20代で、参加チームの中でダントツ最年少。僕が平均年齢を引き上げてしまいました(笑)

しかし若いとは言っても、企画マーケットはプロの商談の場。そこで堂々と世界相手にプレゼンと商談を進める彼らはすごい!

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Mikhail Redとは去年参加したプロデューサーのワークショップで意気投合し、いつか一緒に映画を作ろうと話していたのですが、今回共同プロデューサーとしてチームに入れてくれて、本当に幸運です。去年の東京国際映画祭か今年の大阪アジアン映画祭で「Birdshot」を観た人は分かると思いますが、近い将来ハリウッド進出も期待されているアジアの期待の星です。

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今回、3日間でインディペンデントのプロデューサーから大手の配給会社まで24社前後と商談したのですが、実際、数社から一緒に映画を作りたいとオファーがあり、こんな若いチームでもやれば出来るんだと実感しています。

連日朝から晩までプレゼンするのは疲れますが、疲労以上に興奮が上回ります。そして、毎晩他のプロデューサーや映画祭プログラマーと飲みに行って、深夜までカラオケに行くというパターンです。

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これが重要だと最近つくづく感じています。僕のようなお金がないプロデューサーにとっては、信頼関係が全てだと思うのですが、カラオケは信頼関係を築いたり、見極めたりするのに威力を発揮します。僕は音痴なのでカラオケは好きではないのですが・・・

あっという間に3日間の企画マーケットは終わったのですが、何と僕たちの企画がNAFF Awardという賞を頂きました!制作費の一部になる賞金ももらえるのですが、金額以上に、今後お金が集まりやすかったり、映画祭に選ばれやすかったり、配給もしやすかったりという、大きな受賞です。

最年少の新しいチームで成し遂げた快挙!

出だし好調な「Eerie」プロジェクトですが、来年の夏撮影に向けて、まだまだお金集めと準備は続きます。

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撮影はフィリピンでするか、日本でするか迷っているのですが、とにかく、最強に怖いホラー映画を作るにはどうすればいいか、Mikhail Redの今後のキャリアも考えると何が最適なのか、試行錯誤しながら映画を作って行きたいと思います。

そして気がつけば、これも含めて3つフィリピンとの合作の企画を進めています。他の国との合作の企画もあります。

企画毎に面白い映画を作る為の最強チームを作りつつあります。これからは、国籍とか住んでるとことか関係なく、とにかく面白い映画を作る為に信頼出来る仲間と、一緒に映画を作って行くと思います。

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しばらくフィリピンに住もうかな(笑)と案外真剣に考えるこの頃です。

やっぱりイタリア大好き

1年ぶりにイタリアに行ってきました。行く度にもうしばらく来ないかなと思うのですが、イタリアには何かと縁があるようです。

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今回の目的はミラノで高級シーツの商談と、ウーディネのFar East Film Festivalで企画の売り込みと、『見栄を張る』が上映されたヴィチェンツァのWorking Title Film Festival参加です。 

色々とありましたが、大雑把に言うと、イタリアは飯が旨い、人間が陽気、そして女の子が可愛いという事です(笑)

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しかしこの旅で一番心に残ったのは、Working Title Film Festivalで受賞した事よりも、ウーディネでフランスのセールスエージェント兼プロデューサーに「お前の持ってくる企画は予算が小さすぎる」と言われた事でした。

そのプロデューサーと会うのは2回目ですが、準備した資料に自己紹介として「大阪のマイクロバジェットプロデューサー」と書いたのですが、今度会う時にこんな事書いてたらもうお前とは会わないと言われました… 欲がなさ過ぎるそうです。こんな低レベルな奴と会う時間がもったいないという感じがヒシヒシと伝わってきて、ミーティングの後半はほぼ沈黙で彼は忙しそうにメールを見ていました。

彼はカンヌやベルリンに毎年作品を送り込んでいるフランスでもトップクラスのセールスエージェントなのですが、製作費としては低予算だとしても1億円前後をイメージしています。一方、僕の企画は爪を伸ばして1千万円前後を想定しています。 

このギャップが大きい!

ヨーロッパではカンヌを目指すような作品は政府の助成金をもらって、1億円とかの製作費にしてプロデューサーは製作費から会社をやっていけるだけの最低限のギャラをもらうのが普通のようです。一方、日本のインディペンデント映画は製作費を出来るだけ抑えて、プロデューサーは作品を何とか売って次に繋がるように少しでも儲けようと考えるものだと思います。

と僕は考えているのですが、Far East Film Festivalにパネリストとして呼ばれていたオフィス北野の市山さんに幸運にもお話をお聞きする事が出来ました。 

市山さんも、国際共同制作となると、予算はそれなりに大きくなる。問題はヨーロッパからそれなりの助成金をもらっても、そういった助成金のほとんどはポスプロ等でヨーロッパで消費せねばならず、 残りの日本で消費する大きな予算を集めるのが至難の技であると言っていました。

ヨーロッパはインディペンデントでも大きい予算を期待しているけど、日本はインディペンデントでは大きい予算は現実的ではないという事なのかなと思います。 

そういったヨーロッパと日本のギャップでうまく立ち振る舞っているのは、是枝監督や、河瀬監督や、黒澤監督といったスター監督のみのようですが、やりようによっては他の若手の監督にもまだまだチャンスはあると思います。

では僕たちはどうすればいいかというと、僕なりの考えは、日本の若手の監督やプロデューサーがもっと交流して、いい企画を作る事だと思います。今アジアで一番勢いのあるフィリピン勢は、監督やプロデューサーが積極的に交流して、いい流れを作っている感じがします。

後はやる気だと思います。東南アジアの監督やプロデューサーは現実的にカンヌやオスカーを目指しているし、それなりの努力をしています。日本人の若手はどちらかというと、評論家タイプになりがちで、批評はするけど本気でカンヌやオスカーを目指している人が少ない気がします。

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次は大きな企画考えます!

harakiri films 今井太郎 

CO2東京上映展

2月25日〜3月3日まで第12回CO2 (Cineastes Organization Osaka) の3作品を上映するCO2東京上映展が渋谷のユーロスペースにて開催されました。今後に活かせるよう備忘録のような感じでブログ書いてみます。

左から、神原健太朗さん、藤村明世監督、辻凪子さん

左から、神原健太朗さん、藤村明世監督、辻凪子さん

昨年度のCO2助成作品である近藤啓介監督の『食べられる男』、三間旭浩監督の『私は兵器』、藤村明世監督の『見栄を張る』が上映されたのですが、前年度第11回CO2の東京上映展は僕が観に行った時は満席だったので、ある程度はCO2ファンのお客さん来てくれるだろうという楽観的な予想と、もしかしたら誰も来なかったりしてというドキドキ感が入り混じったイベント開始前の気持ちでした。

今回、この上映展を大々的に宣伝する時間とお金はなかったのですし、そもそも映画の宣伝については全く分からないので、限られた人数、時間、お金でどうやってお客さんに来てもらえるかどうかをみんなで考えながら試行錯誤してみました。 

僕がプロデュースした『見栄を張る』に関して念頭に置いていた事は、今回ただ誰でもいいから多くのお客さんに来てもらうのではなく、今後、『見栄を張る』が一般劇場公開につながるようにこの映画を広めてもらえるお客さんに来てもらおう、そして今後の藤村監督の作品につながるように藤村明世ファンを作ろうという次を見据えた作戦です。

『見栄を張る』を観たいっていうお客さんが増えてくれれば、今後劇場公開もしやすいでしょうし、 劇場公開した時にはそのお客さんに来てもらう事を想定して作戦を考えました。そしてそうやって来てくれたお客さんが藤村監督の今後の作品も応援してくれるようお客さんとの長期の関係を築く事が重要なのかなと僕なりに考えています。

こういったイベント上映でお客さんに来てもらうのに、一番有効なのは著名人をトークゲストとして招く事かと思い、誰を呼ぼうかずっと考えていました。しかし著名人に来てもらうお金もコネもなかったという事もありますが、今回は特にゲスト目当てではなく『見栄を張る』を観る事を目的として観に来て欲しいですし、ゲストを呼ぶにしても今後この作品をずっと応援してくれる人にお願いする事が重要だと思い、関係者中心に候補を考える事にしました。

そこでみんなで出した答えが、シンプルに藤村監督と主演の久保陽香さんに 登壇してもらい、司会としてこの作品をずっとフォローして下さっているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の神原健太朗さんをお招きする事でした。

残念ながら久保さんは大事な映画の撮影と重なってしまい来れなかったのですが、1回目の上映にはチョイ役で出演してもらっている辻凪子さんに登壇してもらいました。チョイ役とはいえ出演者が登壇する方がお客さんも喜んで頂けると思いましたし、辻凪子さんも登壇すれば自分の出ている作品を今後応援しやすいだろうと思っての策略です(笑)

『見栄を張る』はCO2助成作品といえど、実質的には超低予算の自主制作映画ですので、誰でも知っているスターが出ている訳ではありません。こういった自主制作映画が好きな人は限られているでしょうし、その中でもこの作品を気に入ってくれる人やそうでもない人に分かれるのが普通です。それでも、『見栄を張る』を前から観たいと思ってくれてたり、観たら気に入ってくれるであろうお客さんはなんとなくの感覚ですが東京に1,000人以上はいるはずだと思います。 

そういったお客さんに確実に情報を届ける事が重要だと思いました。『見栄を張る』観たかったけど上映やってるの知らなかったとか、こういう自主制作映画好きだけど『見栄を張る』という作品の存在を知らなかったとか、せっかくのチャンスを逃す事は極力減らしたい。僕も映画は多く観る方ですが、それでも観たかった作品がいつの間にか上映終わってるって事はよくあります。

また、好き嫌いはあって当然ですが、過大広告であったり間違ったターゲットへの宣伝をして、テイストの合わないお客さんをたくさん呼んでしまい悪い評判を流す事になると、今回の上映には人は入ったとしてもお客さんの信頼を失い今後の活動にマイナスになると思います。

東京都に住んでいる1,400万人の中から1,000人という極わずかなターゲットに確実に情報を届ける最も有効な方法は、答えは分かりませんが、色々と考えてみました。 

ユーロスペースに普段から通ってる映画好きの人々や、藤村監督の周囲の人々は今後も応援してくれる可能性が高いので、ユーロスペースでチラシを配ったり、藤村監督からのSNS発信には藤村監督自身に力を入れてもらいました。よく考えればチラシ配りとSNSは基本中の基本ですが、みんながやってるからといって何も考えずにがむしゃらにやるのと、ちゃんと考えてやるのとではチラシの配り方やSNSの発信の仕方が変わってくると思います。

結果、1回目の上映は日曜のレイトショーにもかかわらず70人近くのお客さんに来て頂き、2回目の上映はなんと144席の劇場が満席になり立ち見もでました。 

立ち見のお客様には申し訳なかったですが、この光景は嬉しかったです。

立ち見のお客様には申し訳なかったですが、この光景は嬉しかったです。

こういった作戦が実ったのかどうかは分かりませんが、藤村監督の友達がたくさん来ていたのは事実で、藤村監督の頑張りに脱帽です。 

『見栄を張る』は去年の大阪アジアン映画祭とSKIPシティ国際Dシネマ映画祭でも上映されたのですが、その時から次につながる宣伝を心がけてきました。そういった次を見据えた作戦と地道な努力も少しは貢献したと信じたいです。 

『見栄を張る』の次の上映は下記の通り4月の高崎映画祭ですので、東京上映展を見逃した方やもう一度観たいという方は是非この機会にお越しください!

第31回高崎映画祭
「監督たちの現在ー進取果敢な人々ー」 部門 正式出品

『見栄を張る』
監督・脚本:藤村明世
出演:久保陽香/岡田篤哉/似鳥美貴/辰寿広美

上映スケジュール
4/6(木) 11:00〜12:33 @ シネマテークたかさき
4/7(金) 19:00〜20:33 @ 高崎シティギャラリー

高崎映画祭ホームページ
http://takasaki.film.gunma.jp/forward-looking/247/

そして一般劇場公開が早く実現するよう、Twitter(ハッシュタグ #見栄を張る)で皆様のお気持ちを拡散して頂いたり、正直な意見で構いませんのでFilmarks等のレビューサイトにコメントして頂ければありがたいです。

https://filmarks.com/movies/67470

今後とも応援よろしくお願いします!

harakiri films プロデューサー 今井太郎

ロンドンの映画祭に行ってきました

関西に辻凪子という面白い女優さんがいます。

普段は大学で演技の勉強をしながら舞台や映画にも出たりしている辻凪子さんですが、俳優コースなのに大学のプログラムで短編映画を監督してしまい、『ゆれてますけど。』という10分の作品が出来上がりました。

この作品は「こんなの映画じゃない!」という人もいれば、「彼女は天才だ!」と言う人もいるのですが、12月4日に渋谷のアップリンクで開催されるオイド短編映画祭で上映されるので、ぜひ足を運んで皆さんのご意見をお聞かせ頂けたらと思います。

http://oidosff.com/2016/11/01/「第8回オイド短編映画祭」入選作品&開催要綱発/

僕の個人的な感想を言うと「こんなの映画じゃない!」と言いたいのですが(笑)、思い返してみれば自分が学生の頃に8mmで撮った作品なんてもっとクソなんですよね。これは短編映画なり一度でも作った事のある人にしか分からないと思いますが、映像で言いたいを伝えるって意外と難しく、初めて作ると大抵意味不明なものになります。

ところがよくよく見てみると、『ゆれてますけど。』はナレーションや台詞ではなく映像でストーリーを伝えるという映画の基礎がきっちりとできていて、更に辻凪子の女優としての表情の変化が面白く、そして一番難しいお客さんを楽しませる事が出来ちゃってるんですよね。

ちなみに僕が学生の頃に撮った作品はこれです。8mmのクラスで撮った3本目なのでまだましな方です。辻凪子とどっちが面白いか教えてください。

で、辻凪子さんには僕たちの作品に出演してもらったり世話になっている事と、この作品から何となく感じる意味不明な今後の可能性に期待して、僕が適当に英語字幕をつけてダメ元で海外の映画祭に応募してみる事にしました。作品の善し悪しは別として、映像から言葉では言い表せない奇妙なパワーを感じるんですよね。

数えてみれば70件位の映画祭に応募して、落選しまくったのですが、なんと一つだけ『ゆれてますけど。』を選んだバカな映画祭がありました!それが10月29日〜11月19日にロンドンで開催されたクリスタルパレス国際映画祭です。ちなみにこの映画祭には僕たちが汗水たらして作った長編映画『見栄を張る』も応募したのですが、そっちは落選しました…

http://cpiff.co.uk

正直言ってよく分からない映画祭ですが、ホームページの恐竜とセクシーな女のデザインが気に入った事と、ジョニー・ベガスとマーク・スティールと言うイギリスでは有名なコメディアンが審査員って事で、これは行かなきゃならんでしょってロンドンまで行ってきました。ちなみに英題は「Shaky Girl」で、下のプログラム予告編の5つ目に出てきます。

『ゆれてますけど。』は名誉な事にこの映画祭のメインイベントであるコメディ部門で、映画祭最終日の11月19日に上映されました。その他の上映作品はイギリス、アメリカ、オーストラリア、スペインからでアジアからは辻凪子のみ。

コメディ部門で上映されたのは『ゆれてますけど。』入れて9本だったのですが、なんとまあ他の作品のクオリティの高い事!制作費1千万円位かかってそうな作品ばかりで、監督達も実績のあるプロって感じでした。無名の映画祭ですが、レベルはかなり高いです。なぜこのメンツに辻凪子が選ばれたのか…

そしてついに上映が始まりました。上映開始後すぐに客先から笑いが!チケットは売り切れで250席の会場は満席。4月に行ったアメリカの映画祭は観客4人だったので、かなりの盛り上がりです。『ゆれてますけど。』は確か最後から2番目の上映だったのですが、他の作品に比べても結構お客さん笑ってました!辻凪子監督は失笑だと恥ずかしそうに言ってましたが、確かに笑ってましたよ(笑)。

そして授賞式に移り、各部門のノミネート作品と受賞者が発表されました。上の写真の右に写っているのがコメディアンのマーク・スティールさんです。『ゆれてますけど。』は全日程の全部門の中の学生映画から選ばれるBest Student Filmにノミネートされたのですが、ノミネート作発表の時『ゆれてますけど。』が一番大きな拍手と歓声を頂き、その瞬間はやっぱり映画祭にきてよかったと実感しました。

結果としては残念ながら受賞は逃しましたが、観客の拍手と歓声は確実に一番大きかった!ちなみに受賞したのは台湾のアニメーションなのですが、監督の代理で賞を受け取っていたのが上の写真の左の人で、4月に行ったイタリアの映画祭で知り合ったレオナルドさんだったのでびっくり。世界は狭いですね!

それでは辻凪子監督の映画祭での写真をいくつかお届けします。

他の作品の監督さんや役者さん達に「面白かったよ」とたくさん声をかけられ、英語が喋れなくても会場一の人気者になってしまう辻凪子さんなのでした。

その後打ち上げとかはなくあっさりと終わってしまったのですが、終了時刻が遅かったので終電に乗り遅れた僕たちは真冬並みに寒い雨の中バスを乗り継いで2時間かけて宿に戻ったのでした。いつも明るい辻凪子さんですが、その時ばかりは疲れている感じだったかな。

後日、映画祭から嬉しいメールが届きました。

We loved having you both at the festival thank you so much for coming!! Nagiko certainly has a lot of talent as a director and thinks 'outside of the box' which is great! The audience loved her film and even cheered when it was mentioned as a nominee for the award! It was also a close decision and nearly won!

She should keep going and always believe in herself no matter how many rejections come along (there are always a lot so we need to accept them and move forward).

Best of luck to you both.

こんな素晴らしい映画祭に連れて行ってくれた辻凪子に感謝。

 

harakiri films
今井太郎

釜山映画祭に行ってきました

日韓合作映画「同じ空の下で 〜あなたの宇宙は大丈夫ですか?〜」の撮影が始まったばかりですが、韓国の撮影隊を大阪に残して、釜山国際映画祭に行ってきました!

今まで仕事や旅行で20以上の国に行きましたが、韓国は今回が初めて。

ピーチで関空から行ったのですが、何と往復で1万7千円!宿は当然Airbnbですが、朝食付き5泊で1万3千円。空港で借りたポケットWiFiは映画祭割引があり6日間で3千円。昼飯と晩飯は友達にごちそうになったりパーティーに参加したりで、少しサンドイッチを買った程度。マーケットのパスは早く登録すれば1万円だったけど、現地で登録したので2万円。電車代やタクシー代も日本に比べれば激安。結局全部で6万円も使いませんでした。

でも来年は早く計画してもっと節約するぞ!

こんな可愛いAirbnbに泊まりました。

こんな可愛いAirbnbに泊まりました。

今回映画祭に行った目的は、藤村明世監督の「見栄を張る」を海外の映画祭や配給会社に売り込む事、現在撮影中の日韓合作を売り込む事、新企画「マリファナ・ファミリー」を売り込む事、長期的な視野で大阪から世界で活躍できる人材を育てるために強いネットワークと築く事、とか色々です。

「見栄を張る」の海外への売り込みをして頂いているGeta Filmsの増岡さん。

「見栄を張る」の海外への売り込みをして頂いているGeta Filmsの増岡さん。

映画祭の一環として開催されているAsian Film Marketという映画のマーケットにはAsian Project Marketという企画のマーケットもあり、僕の企画は落選したのですが、チャン・ゴンジェ監督や、Donsaronプロデューサーや、Shawkat Amin Korki監督や、内田英治監督とか深田晃司監督とか知ってる人のプロジェクトが多く選ばれていたので、大阪の若い監督も頑張ればいけると思いました。

2年前にブリズベンで出会ったShawkat Amin Korki監督と

2年前にブリズベンで出会ったShawkat Amin Korki監督と

どこに行っても出会うタイのプロデューサー、ドンサロンと。

どこに行っても出会うタイのプロデューサー、ドンサロンと。

4月にメリーランドの映画祭で出会った韓国のKim Kyul監督とプロデューサー。映画祭ボイコット中らしいです。

4月にメリーランドの映画祭で出会った韓国のKim Kyul監督とプロデューサー。映画祭ボイコット中らしいです。

河瀬直美プロデュース「ひと夏のファンタジア」の監督のチャン・ゴンジェ。うちに泊まりに来た事があります。

河瀬直美プロデュース「ひと夏のファンタジア」の監督のチャン・ゴンジェ。うちに泊まりに来た事があります。

夏に一緒にドキュメンタリーを作ったTies That Bind同期のブラッドリー監督とスーパープロデューサーのビアンカ。

夏に一緒にドキュメンタリーを作ったTies That Bind同期のブラッドリー監督とスーパープロデューサーのビアンカ。

商談とパーティーの合間には映画もたくさん観ました。パーティー疲れでたくさん寝てしまいましたが、観た映画の感想です。

Monte: イランのAmir Naderi監督がイタリアで撮影した中世の貧しい異教徒の家族の物語。岩山の麓で大根とか植えながら生活しているが、岩だらけの悪い土壌とそびえ立つ岩山が日光をさえぎり作物が育たない。そんな岩山を切り崩そうと、主人公はひたすらハンマーで岩を叩き続ける。4ヶ月位岩山にこもって命がけで撮影したという力作です。ありえない希望に向かってひたすら不可能に立ち向かう主人公は映画の中の演技という枠を超えている思いました。主人公と同じように苦しみを感じたい人にはお勧めの映画です。しょうじきいって退屈な映画ですが、強烈な印象が残ってます。

Sweet Dreams: Marco Bellocchio監督のイタリア映画。子供の頃、大好きな母親が心臓発作で死んでしまう主人公。大人になっても母の死を引きずって生きる、母への愛の物語。何年か前にアカデミー賞を取った「アーティスト」の女優が出て来ます。面白かったけど、心に残らないのはなぜだろう。

Through the Olive Trees: キアロスタミ特集で上映されていましたが、残念な事に字幕が薄くて、更に席がスタジアム式の劇場の一番上で字幕がかなり下の方に見えたので、字幕が読めませんでした。韓国のおばちゃん達は笑ってたので、面白いんだと思います。東京国際映画祭でもやるのかな?

Blessed Benefit: Mahmoud Al Massad監督のヨルダン、ドイツ、オランダ、カタール合作。年老いて貧乏な現場作業員の主人公がちょっとした事で詐欺罪で牢屋に入り、次第に牢屋の中のボスや問題児と仲良くなっていく話。牢屋の外の厳しい現実の世界と、意外と自由な牢屋の中の対比が面白い。今回観た中で一番面白かった。

Singing in Graveyards: フィリピン在住のマレーシア人監督Bradley Liewの作品。フィリピンの実在するロックスターJoey Smithのそっくりさんとして生きるPepe Smithが、本物にはれない自分に葛藤する物語。夏にBradley Liew監督と一緒にJoey Smithが40年前に在籍した横浜のバンド、Speed, Glue & Shinkiのドキュメンタリーを撮影したばかりなので、感慨深く観させてもらいました。ぜひ大阪アジアン映画祭で上映して欲しい!

Emma' (Mother): Riri Riza監督のインドネシア映画。一夫多妻制の風習が残る60年代のインドネシア。父親が母とは別の女と結婚した事を知り、傷つく母親を支えようとする息子の話。美術、衣装、シネマトグラフィーが美しい芸術映画です。クオリティの高さに驚愕。

映画祭のメイン会場は雰囲気がありますね 

映画祭のメイン会場は雰囲気がありますね 

Asian Project Market受賞者。近いうちにここに大阪の監督が立って欲しい 

Asian Project Market受賞者。近いうちにここに大阪の監督が立って欲しい 

かっこいい名前のパーティー 

かっこいい名前のパーティー 

ざっくりこんな感じの映画祭でしたが、具体的に何か決まった案件はなく、しかし今までの友達とはより深い関係になり、新しい友達がたくさんできた刺激的な6日間でした。ローマは一日にして成らずってやつですね。 

この映画祭を通じて思ったのは、映画の仕事も僕が去年までやってた商社での糸のビジネスと変わらない事。糸の業界も映画と同じようにパリやミラノや上海で展示会があり、そこで人間関係を気づいて信頼関係の中で商売は生まれてました。 

サラリーマンの時と違うのは出張は全て自腹ってことかな。サラリーマンの時は好きなとこに会社の金で行きまくってたけど、いい会社で色んなこと勉強させてもらったと実感。

毎朝美味しいサンドイッチ作ってくれたAirbnbのホストマザー 

毎朝美味しいサンドイッチ作ってくれたAirbnbのホストマザー 

アジアの若いプロデューサーや監督に負けないように、大阪から若手のプロデューサーと監督を長期に渡って輩出できる仕組みをなんとか構築したいと思いつつ、お世話になったホストマザーにバイバイして大阪へ。翌日からまた日韓合作の撮影に戻り、釜山で偶然にも一緒だった映画24区の堀春菜さんとも楽しく撮影やってます。

そして来年は8本長編の企画があって、どうやってお金を集めるのかこれから試行錯誤していく事になりますが、こないだうちに泊まりに来たベルギーのプロデューサーは年間20本映画作ってるらしいので、不可能ではないと思い頑張ってみます。 

誰かお金の集め方一緒に考えてください^^ 

 

harakiri films 今井太郎